あったかかった。
20代の頃、しりあいのうまいもの食い尽くし型編集さんに
阿佐ヶ谷でうまい店は?と訊ねたら即座にかえってきた返事が
台湾料理の「のっぺ」だったんであります。
いこういこう、と野郎3人で赴きました。
無愛想な顔のご主人がつくる料理はまったくもって旨くてですね。
散々喰ったあげくにシメだ、と叫びつつチャーハン3つ!と言いました。
ご主人黙って中華鍋を振っておりますがえーっと、あれ?
その量は、、、といぶかしがる男たちの前に
ひと皿2,5人前くらいの量のチャーハンが3皿並んだのだった。
ひとこと言ってくれればいいものを、ご主人はにやりともせずに
出してきたものだからこっちも負けるわけにはいかないので
黙々と3皿とも平らげ「お勘定」と絞り出すように発声して
よろよろと店を後にしたのでした。
アホみたいに喰ったあとでも山盛り喰えるほどのチャーハンの
旨さの証明でもあったわけで。
数年後常連もどきになってからその時のハナシをご主人にしたら
「だってどのくらいの量かって聞かなかったでしょ」と
ぬけぬけと言い放ったものです。
そりゃそうだけども。
そんな「のっぺ」が去年で閉店したと聞きがつんとショック。
しばらく行ってなかったんでした。
ほんとにごちそうさまでした。